「胃もたれが続く」「少し食べただけですぐにお腹いっぱいになる」「みぞおちが痛い、苦しい」。
病院で検査をしても大きな異常が見つからないのに、こうした症状が続くことがあります。
その代表的なものの一つが、**機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)**です。
機能性ディスペプシアでは、胃の働きや胃と脳の関係など、さまざまな要因が関係して症状が起こると考えられています。
東洋医学では「胃」だけを見ません
東洋医学では、胃の症状があるからといって、胃だけに原因を求めるわけではありません。
食欲、睡眠、便通、疲れやすさ、ストレス、冷えなど、身体全体の状態を確認しながら、その人の体質やバランスを考えていきます。
そして、この時期に特に意識したいのが**「湿気」と「脾胃」の関係**です。
台風や雨、湿気が続く時期は「脾胃」が疲れやすい?
東洋医学では、**「脾は湿を悪む」**という考え方があります。
長雨や台風などで湿気の多い日が続くと、身体の中にも「湿」がたまりやすくなり、脾胃の働きに負担をかけると考えられています。
脾胃は、食べ物から身体に必要なものを取り込み、全身に届ける働きに関わるとされるため、ここが弱ると、
- 食欲が落ちる
- 胃もたれしやすい
- 食後にお腹が張る
- 身体が重だるい
- むくみやすい
- 便がすっきり出ない
といった不調が出やすいと考えます。
「雨の日になると胃腸の調子が悪い」「湿気が多いと身体が重い」という方は、東洋医学ではこうした季節や環境の影響も含めて身体をみていきます。
鍼灸では、一人ひとりの状態に合わせて
機能性ディスペプシアは、同じ診断名でも症状の出方は人によって異なります。
そのため鍼灸では、「胃もたれだからこのツボ」というように一律に考えるのではなく、症状だけでなく身体全体の状態を確認しながら施術していきます。
特に、胃腸の症状に加えて、疲れやすさや身体の重だるさ、便通の変化などがある場合には、東洋医学的な視点から身体全体のバランスを考えることもあります。
「胃に異常がないのに、どうしてこんなに苦しいんだろう?」
そんなときこそ、胃だけではなく、季節や生活環境も含めて身体全体から不調を考えてみる。
それも東洋医学の一つの考え方です。
※強い痛み、体重減少、繰り返す嘔吐、黒い便など気になる症状がある場合は、まず医療機関での診察を受けることが大切です。

